Overview
事例の概要
1997年1月、ロシアのタンカー「ナホトカ号」から流出した重油による日本最大級の海洋汚染で、当社のバイオレメディエーションによる浄化効果が実証されました。
- 発生
- 1997年1月
- 汚染物質
- C重油(約600万L超)
- 浄化手法
- バイオオーグメンテーション(テラザイム)
- 成果
- 約10週間で重油がほぼ消失

Background
事故とバイオレメディエーション導入
ナホトカ号は日本海で船体が折損し、船首部が福井県三国町に漂着。約600万L超のC重油が流出し、荒天のため油回収船も油処理剤も効果を発揮できず、汚染は1府5県に及ぶ最悪規模の事故となりました。事故直後、兵庫県・柴山港からの依頼を受け、当時国内でほとんど知られていなかった微生物による浄化に挑みました。
Collaboration
研究会の発足と協働
漁協・大学・水産試験場・保険会社・石油会社などの専門家とともに「ナホトカ号海洋油汚染バイオレメディエーション研究会」を設立。漁師による人海戦術での油回収に加え、岩の隙間や浅瀬に残る油へ弊社のバイオ製剤「テラザイム」を散布しました。
研究会が設定した調査地域と、油回収にあたる現場のようす
Field trial
実証試験と浄化の成果
「テラザイム」は自然界から採取した天然微生物群で、安全性試験により海洋生物への影響がないことを確認済みです。岩に付着した重油で波打ち際の比較試験を行ったところ、3週間で石の表面が見え始め、約10週間後には重油がほぼ消失し、本来の岩肌が現れました。
Significance
実証の意義
海上を漂う油は回収できても、岩場や砂浜に入り込んだ油の除去は困難です。本試験は、こうした“人の手で取りきれない油”にもバイオレメディエーションが有効であることを実証しました。成果は国内外の学会で発表され、「バイオレメディエーションによる海洋汚染対策」として報告書にまとめられています。
Related materials
関連資料
- 研究会報告書:「バイオレメディエーションによる海洋汚染対策」
- 掲載記事:日経バイオテク 第372号(1997年3月24日発行)