微生物によって環境を浄化する戦術(バイオレメディエーション)には、二つの手法がある。汚染現場に生息する微生物を活用する方法(バイオスティミレーション)と、あらかじめ汚染物質の分解を確認した微生物を導入する方法(バイオオーグメンテーション)だ。
前者は、土着の微生物と汚染物質の相性がマッチするとは限らないから効果が不安定。これに対し、汚染物質を見極めたうえで、浄化効果の高い微生物を投入する手法は確実な効果が得られる。「チーム オッペンハイマ-」が採用するのも、この戦術だ。
これで戦い方は決まった。成分が一様ではないうえに、複数の油で汚染されているケースも少なくない「チーム油汚染」に対して、「チーム オッペンハイマ-」は、敵(油)の一人ひとりを見極め、多種多様な微生物を集めたチームを編成して戦う準備を整えた。
「チーム オッペンハイマ-」のメンバーに起用されたのは、複合バイオ製剤「オッペンハイマー・フォーミュラ」だ。自然界に生息する多様な微生物を集めた「オッペンハイマー・フォーミュラ」は、燃料油、潤滑油などあらゆる油を、水と二酸化炭素に分解してしまう優れた作用を発揮する。
「チーム オッペンハイマ-」を構成するさまざまな微生物が、フォワードの突進力によって、そしてゾーンディフェンスによって、それぞれの持ち味を活かして敵(油)を撃破し、鉄壁のブロックをする。さらには微生物が自己増殖して攻撃力を高めるチームワークを発揮して、「チーム油汚染」を無害化(分解)しゴールへ攻め入っていく。
この戦いは、数週間あるいは数カ月にわたる試合を経て決着がつくことになるが、「チーム オッペンハイマ-」の確実な勝利は間違いない。サポーターは、こう評価するだろう。「パファーマンスが高い最高の試合だった」。