強敵「チーム油汚染」。油と言うとまず石油を連想するが、「石油」という名前のメンバーはいない。欧米では気体(天然ガス)も石油の仲間だし、液体(原油)の石油でも精製されて、いろいろな製品に分かれていく。
そもそも石油は古代の動植物が積み重なって、複雑に分解・変質してできたもの。数万とも言われる雑多な化合物が混合してできたものだけに、一つの原子記号や化学式で表せない。「地下から採取される炭化水素化合物の混合物」。それが石油だ。
原油を精製した石油製品には、ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油……と、いろいろなメンバーがいる。ガソリンのメンバーと言えども、精製工程で複雑に分別・混合されるから、全く同じと言える成分のメンバーはいない。
「チーム油汚染」に勝つためには、まず油の正体を正しく知ることが重要だ。
「チーム油汚染」の強さの秘訣は、ラフプレーとしたたかな駆け引きや騙しあい(マリーシア)で相手を凌駕するプレースタイルだ。彼らは石油製品を大量に扱ったり消費する場所の土壌や地下水をホームグラウンドにして、常日頃からこうしたラフプレー(汚染)の練習に余念がない。
ガソリンや灯油・軽油などを大量に保管するガソリンスタンド、燃料タンクに重油を備蓄する工場や大規模商業施設が、彼らの代表的なホームグラウンドだ。
たとえ少量であっても、石油製品を貯えたタンクから長期間にわたって地中に漏れていると、いつのまにか土壌や地下水が汚染されてしまう。つまり「チーム油汚染」が、こっそりと“したたかな”プレーに磨きをかけている証だ。