ワムシ(Brachionus plicatilis)に対する影響評価
テスト生物としてワムシ(Brachionus plicatilis)を使用し、米テキサス大学海洋研究所にて、当該微生物(以下フォーミュラ)のワムシに対する影響を試験した。
試験方法
(1)無菌系(他の微生物がいない状態)での試験
 ワムシを0.5%の次亜塩素酸ソーダに3分間浸し、滅菌処理を施した後、滅菌食塩水で培養して、無菌ワムシを調整した。このワムシを無菌海水に接種し(最終濃度5匹/ml)、これにフォーミュラ(最終濃度0.01mg/ml)を添加した。コントロールとして、非滅菌海水に無菌ワムシ(最終濃度5匹/ml)を接種したものを用意した。
 フォーミュラ添加、コントロールともにそれぞれ4連で試験を行なった。4日間の培養を行ない、ワムシの増加量(P)と増殖速度(GR)について、フォーミュラ添加とコントロールとの比較を行なった。
 PおよびGRは以下の計算式で算出し、添加区・コントロール区両者の有意差の検定を統計プログラム(ANOVA)を用いて行なった。

  P =(最終濃度−初期濃度)/培養日数(4日間)
  GR =(ln最終濃度−ln初期濃度)/培養日数(4日間)

(2)開放系(他の微生物がいる状態)での試験
 フィルター濾過(孔径1.2μm)した海水に、ワムシを接種し、フォーミュラ(最終濃度0.01mg/ml)を添加した。同時にコントロール(フォーミュラ無添加)を用意し、それぞれを4日間培養した後、無菌系の試験と同様に、両者のワムシの増加量(P)、および増殖速度(GR)を比較した。試験は2連で行ない、それぞれのワムシ初期濃度は30匹/mlと17匹/mlであった。

結果
 無菌系および開放系のいずれの試験においても、ワムシの増殖量および増殖速度について、フォーミュラ添加区とコントロール区の間に有意な差は認められなかった。
 従って、ワムシの増殖に対するフォーミュラの影響はないと判断された。